避難所の暮らしを改善する、避難所生活支援キット“HUG+KUM”

避難所生活をサポートする50の機能を備えた防災グッズ

収納ラボにとって、収納の課題を解決することと、もう一つ大切にしていることがあります。それは、地震対策です。阪神淡路大震災の時に、多くの方が転倒した家具が原因で亡くなられた事実から、家具で人が命を落とすような事故を減らすために、収納ラボでは創業当時からオーダー家具をお部屋の壁に直接固定する耐震施工を行ってきました。そうした、地震に対する減災、防災に関連した取り組みのひとつとして、オーダー家具以外の取り組みをご紹介します。

避難所の暮らしをより良くするために

今回、ご紹介するものは、収納ラボの木工技術を活かして、開発のお手伝いをさせていただいた、“避難所生活支援キット HUG+KUM(ハグクム)”という、避難所生活をサポートする50の機能を備えた防災グッズです。
このHUG+KUM(ハグクム)の開発に関わることになったきっかけは、以前からお取引させて頂いていた、名古屋に拠点を置くデザイン事務所、株式会社スズキモダンの代表取締役 鈴木友章氏から収納ラボへ一つの相談が持ちかけられた事から始まりました。

その頃、東日本大震災で約40万人の方が、避難所生活を余儀なくされ、様々な問題が浮上していました。鈴木氏が特に着目したことは、地震や津波から助かったにもかかわらず、“災害関連死”と呼ばれる死因で多くの方が命を落とされており、その内の約3割が避難所生活における精神的、肉体的疲労が原因で亡くなられていた点でした。
鈴木氏は、こうした問題を解決するためには、高齢者や障がい者、子供をはじめ、避難所で暮らす人々のストレスを軽減することと、避難所生活をサポートするボランティアの方々の活動に役立つ機能を持った、防災グッズを作るという構想を持っていらっしゃいました。

オーダー家具製造における木工加工技術を活かして

そこで、収納ラボへ開発と製造の依頼いただいたものは、木製の組み立て式のイスのようなものでした。
鈴木氏のアイデアは、この組み立て式のイスと大きなシートを組み合わせることで、いく通りもの機能を持ち合わせた防災グッズだったので、様々な使い方に合わせて変形させる必要がありました。

組み立て式のイスについては、鈴木氏のアイデア段階では天板に脚になるパーツを差し込むような、シンプルなイメージを持っていたそうですが、相談を受けた収納ラボの代表である矢島から、最終完成形とほぼ同様の折りたたみ式の機構をその時に提案されたことが、ターニングポイントになり具体的な開発がスタートしていきました。

素材は、木材よりも成長が早いためエコロジーな素材として注目され、抗菌作用もある竹が選ばれました。製造を担う自社工場では、オーダー家具の材料として扱う木材に比べると繊維が硬く、複雑な形状に加工することが難しい竹の特性に悩まされることもありました。
竹に適した加工機械の設定を試行錯誤しながら、機能と使用感を満たす精度で量産できるレベルに至りました。こうした新しい加工技術に取り組む経験が、オーダー家具を製造するスキルアップにつながるので、良い経験になったと工場長は語ります。

PATA-MOKU(パタモク)

こうして完成したアイテムはPATA-MOKU(パタモク)と名付けらる多機能なアイテムになりました。収納状態は、折りたたまれており、組み立てることでイスになり、また折りたたんだ状態でも、キャスターをつけることで台車になり、複数個つなげる事でベットやテーブルにもなるフレキシブルな機能を持ちます。

特に特徴的な機能として、PATA-MOKU(パタモク)は写真のように、和式が一般的な仮設トイレの便器の上に置くことで、洋式トイレのように使うことができます。避難所生活を改善する上で、お年寄りや子供、障がい者にとって、不慣れで、不便な和式の仮設トイレを使うことを嫌って体調不良を招くため、大きな課題にもなっています。そのため、排泄行為の妨げにならないような形状を見つけるためにも試作がくりかえされました。その他にも、さまざまな使用方法が可能なマルチツールとして活躍してくれると思います。

避難所生活者の生の声が反映された実用性の高い防災グッズ

今回、ご紹介したHUG+KUM(ハグクム)には、このPATA-MOKU(パタモク)とORI -NUNO(オリヌノ)と呼ぶナイロン素材のシートがセットされています。ORI -NUNO(オリヌノ)は折り紙のように、複数の折り方で、さまざまな使い方ができるシートです。

PATA-MOKU(パタモク)とORI -NUNO(オリヌノ)の組み合わせで、なんと50通りの使い方ができます。この50通りの使用方法については、実際に被災地の支援活動に携わってきた、認定特定非営利活動法人 レスキューストックヤードの協力を得て考案されたそうなので、避難所生活者の生の声が反映されている実用性の高い防災グッズです。
実用的な道具から子供向けのおもちゃや、健康維持やストレス発散に役立つ軽い運動のための機能など、実用的で遊び心もあるユニークな50通りの使い方はオフィシャルサイトに掲載されています。
詳しくは、オフィシャルサイトをご覧ください。
https://s-modern.com/works/318/

最後に・・・

今回、ご紹介させていただきましたHUG+KUM(ハグクム)は、実際に被災地で人の命を守り暮らしを快適にする防災グッズです。誰にとっても被災するという事は、決して望まれる状況ではありません。そんな苦しい状況だからこそ、HUG+KUM(ハグクム)は被災した状況に対して、前向きに乗り越えようと支援するものだと感じました。収納ラボのものづくりが、このような形で貢献できたことは、とても良い経験になりました。人の命を守る大切な製品です。一つ一つ丁寧に製造していきたいと思います。
これからも、収納のノウハウや、オーダー家具製造における木工加工技術を活かして、より良い暮らしにつながる活動に取り組んでいきたいと思います。

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